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いま、視覚障がい者は

映像メディアの進展 -その光と影-

映像メディアは、映画・テレビ・パソコン・タブレット・スマートフォン等のさまざまな媒体を通 じて、私たちの生活にたくさんの楽しみや感動をもたらしています。今後も、デジタル技術の進展により、ますます便利な情報・サービスが提供されていくことでしょう。しかし、その影には「見ること」が困難なために、映像メディアからの情報を十分に受け取ることができない視覚障がい者が存在しています。

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視覚障がいの人口は確実に増えつづける

現在、厚生労働省のデータでは、日本における視覚障がい者の数は全国で31万人と言われています。しかし潜在的な人数はそれを遥かに超えており、その90%以上が中途視覚障がい者です。高齢化に伴い加齢による視力低下なども含めると、年間1万人以上の割合で、何らかの視覚障がいを持つ人口は増え続けると言われています。そうした中途視覚障がい者は、音声による情報を必要としています。

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普及の遅れている映像メディアの音声ガイド

アメリカでは視覚障がい者でも、情報メディアにアクセスができるよう、さまざまな研究と普及が進んでいます。ボストンの公共放送局WGBHでは、1972年からテレビ、DVD/ブルーレイ、劇場用映画およびその他WEB配信等の映像メディアサービスにおいて、視覚情報を言葉で解説する音声ガイド(Audio Description)の研究・制作を行っており、視覚障がい者にも、アクセス可能な情報メディアとして広く普及しています。しかし日本では、テレビ番組について総務省から「試聴覚障害者向け放送普及行政の指針」が出され、字幕に遅れて音声ガイドに関しても数値目標が掲げられるようになりましたが、映画その他の映像メディアにおいては音声ガイドがほとんど普及していないのが実情です。

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