ハンドブック「映画館へ出かけよう!」 表紙  CAP映画館へ出かけよう!  視覚に障がいのある友達や家族を誘って音声ガイド付き映画を楽しむひととき  特定非営利活動法人シネマ・アクセス・パートナーズ  http://www.npo-cap.jp/ 表紙裏  映画館へ出かけよう!  当法人では、音声ガイドを制作するだけでなく、皆さんに「映画館」で映画を  鑑賞する楽しさを知っていただく機会をつくりたいと考えています。  視覚に障がいのある方と一緒に映画を楽しむためには、まず安全を確保しなければ  なりません。見える人と見えない人が気軽に友人・知人同士で映画館へ出かけ  られるように、晴眼者へ伝えたい約束事をこのハンドブックでご紹介します。  このハンドブックは、当法人主催の研修事業「CAPシネマ・スタディ2019」の  内容をまとめたものです。 研修実施にあたり、特定非営利活動法人アイ・サポート様、  TOHOシネマズ日本橋様にご協力をいただきました。  また、ハンドブックの製作には、住友商事株式会社様にご協賛いただいております。 ご協力いただきました皆様に深く御礼申し上げます。 特定非営利活動法人シネマ・アクセス・パートナーズ(CAP) ※「CAPシネマ・スタディ2019」では、盲導犬ユーザーの誘導について研修が   できませんでしたので、このハンドブックにも含めることができませんでした。   今後、盲導犬ユーザーの誘導に関する研修を行った際には、ハンドブックの内容を   更新したいと考えています。 目次  1.誘導するにあたってのお約束  2.出かける前に  3.チケットの買い方  4.さあ出かけよう!  5.ロビーにて  6.席に着こう  7.映画館での時間を楽しもう  8.鑑賞中のマナー・上映が終了したら  9.いっしょに歩こう! ページ1  誘導するにあたってのお約束  1.正面から話しかけること。  2.後ろから押さないこと。  3.白杖をつかんだり、持つ手を引いたりしないこと。  4.そばを離れる時は、壁や柱に触れる位置に誘導し、必ず声をかけること。 ページ2  出かける前に  <チェック>   ●観たい映画が決まっているなら   観たい映画の「公式サイト」から「シアターリスト」へ  ●行きたい映画館が決まっているなら   行きたい映画館のサイトから「上映作品リスト」へ  <チェック>  公開初日は金曜日が多い  ●金曜日からの上映スケジュールを同じ週の火曜日・水曜日に発表する映画館が多い(結構直前です)  ●木曜日に上映終了する作品が多いので、気を付けて  ●舞台挨拶は、土曜日・日曜日に開催されることも多い   出演者や監督の生の声を聞くチャンス!  <CAPおススメ>  上映時間がランチタイムにかかっていると席がとりやすいかも  <チェック>  観たい映画の音声ガイド対応開始日は?  ●公開初日からとは限りません  ●ダウンロードは鑑賞日の前日ぐらいに ページ3  チケットの買い方  <CAPおススメ>  ・希望の席で鑑賞したいなら、事前予約や事前購入がおススメ ・インターネット予約は映画館によって決済方法が違うので要確認!もちろん映画館の窓口でも事前購入できます <チェック>  ・映画チケットにはさまざまな割引があります  ・障がい者割引料金で同伴者1〜2名まで鑑賞可能(映画館によって違うため、要確認)  <CAPおススメ>  ・「通路沿い」「壁沿いの2〜3人席」「出入り口近く」の席がおススメ  ・席を選ぶポイントは、「出入りのしやすさ」!  <チェック>  ・当日映画館で発券、または席を選んで購入  ・有人ではなく発券機や券売機を利用した時は、入場口(もぎり)で「障害者手帳」を提示 ページ4  さぁ 出かけよう!  「障害者手帳」をすぐに出せるようにしてもらいましょう!  ◆案内しやすい服装・靴選び  <CAPおススメ>   ・両手が使える「リュック」や「かけカバン」が安全で便利   ・誘導には歩きやすい「靴」を!  ◎映画館へは早めに到着しよう!混雑しそうなら、1時間前を目標に ページ5  ロビーにて <チェック>  ●チケット売り場は?  予約済 →「発券機」  席を選んで購入 → 「券売機」  機械に不慣れなら、有人窓口や近くのスタッフさんにヘルプ!  ●座れる場所は?  ●トイレの場所は?  ◎「トイレ」は入場(もぎり)の前にすませておこう  ●「多機能トイレ」は案内しない(広すぎて、かえって不便)  ●トイレ内の配置説明は、鍵、洗浄ボタン、トイレットペーパー、非常用ボタン(誤って押さないためにも)  ●誘導者もトイレを使用するときは、「声をかけるまで、中で待っていてください」とお願い(施錠を確認してから、離れる)  ●異性用トイレ内の誘導は、映画館のスタッフさんにお願いしよう! <チェック>  ●「大きめの荷物」や「直杖」映画館で預かってもらえるかも   スタッフさんに聞いてみよう!  ●早めに入場、早めに着席、照明が明るい内に余裕をもって誘導を ページ6  席に着こう  ◎「誘導者が通路側に着席」が基本!  ●通路から列に入るときは、相手が先に、誘導者は後ろから声かけ  ●前の列の背もたれを触り、席数を数えながら進んでもらう <チェック>  音声ガイドのアプリを立ち上げよう!  ●必ず機内モードで使おう!  ●待機ナレーションで「音量」「音もれ」を確認  ●上映中のアプリのトラブルは、慌てずスクリーンの外へ <チェック>  ●着席したら、「非常口」の場所を確認しよう!  ●ブランケットやチャイルドシートが必要ならスタッフさんに聞いてみよう ページ7  映画館での時間を楽しもう  <CAPおススメ>  コンセッションのフードやドリンク、期間限定コラボグッズやオリジナル商品などをチェックしてみよう!  <CAPおススメ>  映画の「衣装」や「顔出しパネル」「小道具」などの展示も楽しもう!  <CAPおススメ>  近日公開作品のチラシやポスターを一緒にチェックしてみよう! ページ8  鑑賞中のマナー <チェック>  ●音声ガイドユーザーは、「音もれ」「光もれ」に注意!  ●アプリのトラブルは、慌てずスクリーンの外へ  ・ほかのお客様は、スマホや音の出る機器の電源を切ることがマナーです  上映が終了したら <チェック>  ・座席、周辺に忘れ物がないかチェックしよう  ・映画館に預けた荷物も忘れずに  <CAPおススメ>  出口への階段は、人の波が過ぎてから ページ9  いっしょに歩こう!  Hello!  Which do you like.......「ひじ」or「肩」、「右側」or「左側」  ◆「手の誘導」の基本  誘導者は手の甲を差し出す ◆「姿勢」の基本  1.誘導者の腕は、力を抜いてまっすぐ下に、脇を開けない  2.視覚障がい者との距離は半歩前ぐらい  3.ふたりの足先が同じ方向を向いていることが大切  Let's go!  ◆「階段」「段差」「スロープ」の基本  1.「階段」「段差」「スロープ」の直前で いったん止まり、事前に存在を確認してもらう  2.「上り」か「下り」かを忘れずに伝えよう  3.相手の足元の安全を確認してスタート  4.「階段」「段差」「スロープ」の終わりを伝える  ◎映画館内は、縦幅の違う段差が多いので必ず伝えて、一緒に確認しながら進もう!  ◆「エレベーター」に乗るときの基本  <CAPおススメ>  遠回りでも、エスカレーターより、エレベーターの方が安全  ・エレベーター内で方向転換するときは、視覚障がい者を中心に誘導者が   外円を描くように回って向きを変えます  ・誘導する側・誘導される側も、まずは、「ゆっくり」「ていねいに」  ◆その他  ●お金の取り扱いは、お互いトラブルがないように  ●飲食物のメニューの説明は、まずは「カテゴリー」からがおススメ  ●時間に余裕があれば、「飲食物の購入」は、着席して落ち着いてからでも  ●4D/MX4D/4DX上映は、体感する映画。機会があればお試しください 道路交通法  第十四条 目が見えない者(目が見えない者に準ずる者を含む。以下同じ。)は、  道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める盲導犬を  連れていなければならない。  2 目が見えない者以外の者(耳が聞こえない者及び政令で定める程度の身体の  障害のある者を除く。)は、政令で定めるつえを携え、又は政令で定める用具を  付けた犬を連れて道路を通行してはならない。 裏表紙  住友商事株式会社ロゴ  このハンドブックは、住友商事株式会社のご協賛により製作しております